大学院 優秀学位論文賞

英威廉希尔公司官网_中国体彩网-唯一官网「優秀学位論文賞」

英威廉希尔公司官网_中国体彩网-唯一官网「優秀学位論文賞」は、本学の大学院研究科博士課程教育の高度化を目的として、優れた学位論文(3編)を顕彰するものです。

審査について詳しくは、優秀学位論文賞「審査細則」をご確認ください。

受賞者の公表

 本学の大学院博士課程教育の高度化を推進するため、令和3年度より「優秀学位論文賞」が創設されました。これは、各年度で授与された学位(甲)論文の中からベスト3を顕彰する制度です。

 令和4年度は、学位(甲)論文全43編の中から以下の3氏が選出され、令和5年6月21日の医学科教授会?大学院医学研究科委員会にて林 由起子学長より表彰状と記念品が授与されました。

 審査委員は大学院運営委員会委員(学長、副学長、研究科専攻主任?副主任の計12名)より構成され、審査基準として、本学の博士課程ディプロマポリシーに則り、①新たな学理を拓く独創性があること、②自立して研究活動を実践できる能力があること、の二点に重点がおかれ選考が行われました。そのため、論文内容に加え、公開学位審査時の主査?副査と発表者間での質疑応答(Zoom録画)も審査対象となっています。なお、審査時の動画は本学eラーニングポータル「e自主自学」(学内専用)から閲覧が可能です。

令和4年度受賞者:羽鳥 綾乃(口腔外科学分野)三宅 恵太郎(耳鼻咽喉科?頭頸部外科学分野)呉 蓉榕(乳腺科学分野)

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※留学中のため表彰式は欠席

羽鳥 綾乃(口腔外科学分野) *令和5年3月15日修了


VCAM-1 and GFPT-2: Predictive markers of osteoblast differentiation in human dental pulp stem cells

(VCAM-1 and GFPT-2:ヒト歯髄幹細胞における骨芽細胞分化の予測マーカー)

■原著論文はこちら>> ■審査時動画はこちら(学内専用)>>

■指導研究室:口腔外科学分野

 この度は優秀学位論文賞を頂き大変光栄に思います。口腔外科学分野では、ヒト歯髄幹細胞の持つ骨形成能の有用性について、これまで種々の動物モデルを用いて報告してきました。本研究では、ヒト歯髄幹細胞の骨形成能に個体差があることに着目し、個体差の補償、ひいては全ての患者さんへの臨床応用の実現化を目標に「骨芽細胞分化能を予測することのできる予測マーカーを探索する」というテーマの下、RNA-seq解析を実施しました。骨形成能の高い群と低い群の遺伝子発現パターンを比較検討した結果、vascular cell adhesion molecule-1 (VCAM1)、glutamine fructose-6-phosphate aminotransaminase-2 (GFPT2)という2つの遺伝子が、ヒト歯髄幹細胞の骨形成分化過程へ関与することを明らかにしました。また、この2つの遺伝子をノックダウンし、骨形成分化誘導時の細胞シグナル伝達経路への影響を評価し、それぞれの下流であるRas-MEK-Erk経路、PI3K/Akt経路が関わることを示しました。今後はこれを応用し、事前に骨形成分化能を予測することが可能になれば、同種細胞移植のドナー選択のスクリーニングに有用であると考えております。
 大学院へ進学して初めて基礎研究に携わった私に、一つ一つ丁寧にご指導いただいた近津大地主任教授、日々時間を割いて親身になって指導をしてくださった古賀陽子兼任教授をはじめとする口腔外科学分野の先生方、そして本学大学院医学研究科を支えてくださる全ての方々にこの場を借りて心より感謝申し上げます。今後もこの賞の名に恥じぬよう精進してまいります。


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三宅 恵太郎(耳鼻咽喉科?頭頸部外科学分野) *令和4年7月27日修了


Ricolinostat enhances adavosertib?induced mitotic catastrophe in TP53?mutated head and neck squamous cell carcinoma cells

(WEE1阻害薬とHDAC6阻害薬の併用はTP53変異頭頸部扁平上皮癌細胞のmitotic catastropheを増強する)

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■指導研究室:生化学分野

 この度は優秀学位論文賞を受賞することができ、大変光栄に思っております。本研究ではp53変異のある頭頸部扁平上皮癌に対してWEE1阻害薬とHDAC6阻害薬を併用することで相乗的な細胞死を誘発することを発見しました。この研究の核心はHDAC6阻害薬が、WEE1阻害薬によって代償的に活性化したChk1を阻害することです。これにより、WEE1阻害薬の腫瘍特異性を損なうことなく、相乗的な殺細胞効果を発揮することが可能になりました。p53変異に対するWEE1阻害薬は単剤でも腫瘍特異性は高かったのですが、臨床試験では単剤での効果は思うように得られず、既存のレジメンに併用する形で臨床試験が行われていました。より忍容性の高い治療法が模索される中、この研究がp53変異腫瘍やHPV関連腫瘍における新たな治療法の先駆けになることを期待しております。

 この受賞には、数多くの方々のご支援があったことを、改めてここで述べさせていただきます。まずは、宮澤啓介主任教授(当時)、高野直治准教授と風間宏美先生をはじめとする生化学分野の先生方、そして研究に専念することを快諾し応援して下さった当分野の塚原清彰主任教授に重ねて御礼申し上げます。どのような形であれ患者のために何かできることがないか、貢献できることはないか、今後も臨床?研究において模索して参ります。 


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左:呉先生、右:石川主任教授

呉 蓉榕(乳腺科学分野) *令和5年3月15日修了


APOBEC3F expression in triple-negative breast cancer is associated with tumor microenvironment infiltration and activation of cancer immunity and improved survival

(トリプルネガティブ乳癌におけるAPOBEC3Fの発現は、がん免疫の腫瘍微小環境への浸潤と活性化および生存率の向上と関連している)

■原著論文はこちら>> ■審査時動画はこちら(学内専用)>>
■指導研究室:
乳腺科学分野

 この度は優秀学位論文賞を賜り、大変光栄に思っております。本研究では、原発性乳がん2,978例の臨床データとRNA発現データと、シングルセルシーケンスデータを使用して、A3F遺伝子の役割に焦点を当て、乳癌における免疫細胞との関連性、患者の生存率などを検討しました。乳がんの異なるサブタイプ、トリプルネガティブ乳癌 とルミナールタイプの乳がんにおけるA3Fの役割が異なっていることを対比しながら、TNBCではA3F高発現群で疾患特異的生存率および全生存率が一貫して良好であることを明らかにしました。更にA3F遺伝子は免疫細胞にのみ発現し、その高発現はがん免疫反応、腫瘍微小環境における免疫細胞溶解活性、およびTNBCの良好な転帰と関連することが分かりました。本学位論文は、Rを用いて公開データベースの解析結果をまとめています。当分野の石川孝主任教授に貴重な留学の機会をいただき、Roswell Park がんセンターの高部和明先生の元でRの基礎からあらゆる面でご指導いただき、多くの経験を得ることができました。この場を借りて心より深く御礼申し上げます。

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